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ALSET 空中発射システム

平成21年度より経済産業省からの委託を受けて、空中発射システムの研究開発を実施しています。空中発射システム(Air Launch System Enabling Technology)は、小型衛星の低コストで即応性の高い打ち上げ手段として注目されています。本研究開発では、新規技術や低コスト化技術の開発の他、将来の打ち上げ事業に資する法制面の調査等を行いました。

平成25年度からはこれまでの成果を踏まえて、航空機からのロケット投下及び点火姿勢の確立に係わる研究開発を継続して実施します。

プロジェクト概要

背景

宇宙技術の進展や民生部品・技術の宇宙転用技術の開発の進捗に伴い、衛星の小型、高機能、低コスト化の実現が可能となり、2000年代に入り欧米を中心として実用衛星としての低コスト小型高性能衛星(Nano、Micro、Mini)の開発が本格的に開始されるようになり、これまでの技術実証、技術者育成、教育等の利用から、災害監視や安全保障へと用途が広がりつつあります。しかし、小型衛星の打上げは大型衛星の相乗りやピギーバックによる打上げ手段に頼らざるを得ないことから、打上げ時期や打上げ軌道の自由度がなく、小型衛星に期待される機動性や実用衛星としての利用促進の大きな制約となり、小型衛星専用の打上げ手段の実現が求められています。

経緯

小型衛星の利用促進に不可欠な小型打上げシステムとして、平成18年度から3カ年にわたって、財団法人機械システム振興協会からの委託を受けて、空中発射システムの調査研究を進め、空中発射システムの有効性や実現のための課題等について調査、検討を行いました。ALSETは、この調査、研究の成果をベースとして研究開発を行っています。

研究開発内容

平成21年度より、空中発射システムの構築に必要な要素技術の研究開発、将来の商用運用に必要な打上げ場所の自在性確保、システム及び運用の低コスト化に資する研究開発及び将来の打上げ事業展開に係わる法制面等の調査、検討を行い、将来の輸送システムの商用運用に係わる有効な成果を得ることが出来ました。

平成25年度からはこれまでの成果を踏まえて、航空機からのロケット投下及び点火姿勢の確立に係わる研究開発を継続して実施します。

  1. 空中発射システム運用構想検討(平成21年度~24年度)
  2. ロケット搭載・分離等に係わる技術の研究開発(平成21年度~  )
  3. 飛行管制技術の研究開発(平成21年度~24年度)
  4. ロケット搭載電子機器の研究開発(平成23年度~24年度)
  5. 商用展開に係わる法規制、基準等の調査検討(平成21年度~24年度)

空中発射システム運用構想検討(平成21年度~24年度)

輸送機の胴体内部にロケットを搭載し、射点となる公海上の高高度からロケットを機外へ投下し、ロケットの姿勢安定を図りロケットに点火し、衛星を所定の軌道へ投入します。

ロケット搭載・分離に係わる技術の研究開発(平成21年度~)

航空機に搭載した固体ロケットを高々度から投下し、点火姿勢の確立及び航空機の安全を確保する技術を開発します。

発射用航空機として、物料投下に使用される輸送機を使用し、同じく物料投下に使用される標準プラットフォーム(Type V)上に3段式の固体ロケットを搭載します。発射用航空機は、高々度で後部ドアを開放し抽出傘によりプラットフォーム共々ロケットを投下します。投下後、ロケットは主傘により緩降下し、姿勢が安定した後にプラットフォームから切り離され点火されます。ロケットの搭載に標準プラットフォームを使用することにより、標準プラットフォームが使用されている多くの輸送機の利用が見込めます。

本計画では、米国の試験場においてC-130輸送機を使用したダミーロケットの投下試験を実施し、投下及びロケット点火姿勢の確立に係わる技術開発を行います。

飛行管制技術の研究開発(平成21年度~24年度)

空中発射システムのメリットの一つに、射点が特定されることなく、安全確保が容易で打上げ軌道に適した公海上から打ち上げられることがあります。しかし、現在の衛星打上げ基準には、連続してロケットを追跡することが求められていることから、地上局を使用することなくロケットの飛行管制を行う技術検討を実施しました。

本計画では、ロケットに搭載したGPS受信機と慣性計測装置により自律飛行機能を持たせるとともに、ロケットと地上の管制センタ間の通信を従来の地上の追跡局に換わりインマルサット衛星経由で実施する追跡方式を検討し、技術的な成立性の目処を得ることが出来ました。

ロケット搭載電子機器の研究開発(平成23年度~24年度)

衛星打ち上げロケットの性能を評価する項目の一つに、ペイロード比(衛星質量/ロケット全備質量)がありますが、ロケットの小型化に伴いペイロード比は低下してゆきます。ペイロード比の向上には、構造材料の高強度軽量材料の適用や搭載電子機器の軽量化が必要となりますが、我が国ではロケットの開発機会に恵まれなかったこと、開発主流が高性能や高信頼性にあったことから、ロケットの搭載電子機器の小型化、軽量化等の分野で諸外国と比べ大きく遅れています。本計画では、ロケット搭載電子機器の高機能、小型、軽量そして低コストのための技術検討を行い、技術課題を抽出しその対応策を明らかにすることが出来ました。

商用展開に係わる法規制、基準等の調査検討(平成21年度~24年度)

本計画は、衛星打上げ事業に資する技術開発等が求められましたが、我が国における空中発射システムの実現には航空法等を始めとする多くの制約があります。これら阻害要因や諸外国における対応策、国際宇宙法等について調査を行い、我が国における空中発射システムによる衛星打上げ実現のための方策について検討を行い、打ち上げ事業推進に対する欧米政府の対応及び我が国の法規制等に係わる課題等の抽出をすることが出来ました。

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