衛星画像を使った土地分類調査

1.はじめに
 みなさんは,「地籍」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?「地籍」とは、いわば「土地に関する戸籍」のことです。我が国において、土地に関する記録として広く利用されている登記所に備え付けられている地図は、その半分ほどが、いまだに図1のような明治時代の地租改正時に作られた地図(公図)などをもとにしたものです。図2のような公図は、境界、形状などが現実とは違う場合があり、地籍調査と呼ばれる日本の土地の調査は図3に表されるように,驚くほど進んでいません。地籍調査をしなければ,税金の計算や土地トラブル,あるいは国土計画に重要な支障をきたすため,現在急ピッチで地籍調査が行われています。
 以上のような
地籍調査の一環として,あるいは最近では地球温暖化メカニズム解明のため,土地の分類(田畑,建物,グランド等)調査は非常に重要となっています。しかし,現地調査等をもとにした地図への分類調査には膨大な時間がかかり,かつ土地の利用状況は時々刻々と変っていきますので,広域にわたって土地利用の実態を把握することは難しいと言われています。そこで,近年瞬間的かつ広域的にデータが得られる衛星データを利用した土地分類調査が注目されています。衛星データを利用した土地分類調査には現地調査と比べて精度はおとり,もちろん限界がありますが,土地分類調査において大きな手助けとなります。しかし,我々はその調査法についてほとんど知らないと思います。
 そこで本日は,「衛星画像を使った土地分類調査」の方法について学習することにしましょう。




図1 土地調査前の地図
(出典:http://tochi.mlit.go.jp/home/c_frame.htm)


図3 地籍調査の進ちょく状況
(出典:http://tochi.mlit.go.jp/home/c_frame.htm)


図4 衛星データを利用した土地分類図
(出典:http://www.gsi.go.jp/WNEW/TEC-NEWS
/1997/tec52-1.html)



図2 土地調査後の地図
(出典:http://tochi.mlit.go.jp/home/c_frame.htm)